お日さまパワーたっぷり詰まった乾物
水分を抜き、長期保存できるようにした食材「乾物」。切干大根や高野豆腐、干しシイタケなどがおなじみです。日本では古来から親しま れ、冷凍や冷蔵のできなかった時代には貴重な食材として重宝されたようです。乾物は、現代人に不足しがちな栄養がたっぷり含まれている優れた食材でもあるということをご存知でした か?今回は、お日さまパワーがたくさん詰まった健康食「乾物」の魅力をご紹介します。
元の食材からパワーアップしたスーパーフード!
乾燥させることで栄養価が上がったり旨みが増したりと、元の食材からパワーアップした食材が乾物。さらには長期保存も可能なので非常食としても活躍する、
まさにスーパーフードなのです。
●栄養価アップ!
元の食材にもよりますが、乾物は水分が抜けて凝縮されるため、生の状態と同じ重量で比べると、ビタミンやミネラルなどの栄養分が大幅に増加します。
●旨みアップ!
乾燥させることで旨みのもとであるグアニル酸やグルタミン酸が増えるため、出汁を取ったり、さまざまな料理で楽しむことができます。
●保存性アップ!
乾物は水分が抜けたことで菌の繁殖を防ぎ、長期保存できるようになります。いざというときには非常食としても大活躍です。
【代表的な乾物と栄養素】
●干しシイタケ
シイタケに含まれるエルゴスチンという成分は、紫外線を浴びることでビタミンDに変化します。ビタミンDが不足すると、骨粗しょう症や免疫機能低下のリスクが高まることに。天日干ししたシイタケは5~6枚食べれば、1日に必
要なビタミンDをほぼ満たすことができます。
※ 天日に当たって乾いたものでなければビタミンDは増えないので、購入の際には注意が必要です。
●切干大根
便通促進効果や整腸作用のある食物繊維をキャベツの10倍以上含みます。また、現代人に不足しがちなビタミンB1、B2も豊富に含みます。
●高野豆腐
疲労回復や筋肉増強に役立つたんぱく質(アミノ酸)が豊富です。同じ量の肉や魚よりも多く含むうえにカロリーも低いため、代用食として使われることもあります.
●干しブドウ
ブドウの主な栄養素であるブドウ糖が凝縮されています。体内に入るとすぐにエネルギーに変換されるので、頭や身体を使った後に食べると効果的です。
乾物のおいしい活用法!
乾物は、戻し方や料理法を一工夫することで栄養を効率的に、おいしく食べることができます。
また、保存方法を工夫することでより長くその風味を楽しめます。
●切干大根は戻し汁ごと調理!
切干大根に含まれる水溶性食物繊維やカリウムは戻すときに水に溶け出てしまいます。栄養を残さず取るためには、調理する際に戻し汁ごと使うことが大切です。戻し汁には切干大根の甘みや旨み
が出ているので、料理の味付けにも一役買ってくれます。
●干しシイタケは時間をかけて戻す!
干しシイタケをおいしく食べるには、水に付けたまま冷蔵庫に入れ、1日ほどかけてゆっくり戻すのがコツ。時間をかけて戻すことで旨み成分グアニル酸が染み出して
くるのです。戻し汁も料理に有効に使うと良いでしょう。
●保存時は密封容器に!
長期保存ができる食材ですが、元々乾いているものなので、湿ったところに置いてはいけません。密封できる容器に入れておくことが長持ちのポイントです。また、直
射日光にも弱いので、冷暗所に保存するよう心掛けましょう。
話題の「乾物ヨーグルト」って何?
乾物を戻すには水やぬるま湯を使うのが一般的ですが、最近ではヨーグルトで戻す「乾物ヨーグルト」が話題です。たんぱく質やカルシウムなどの栄養価が水で戻 すよりも高くなり、通常戻す際に失われてしまうカリウムやビタミンCなどの水溶性の栄養成分も逃がすことなく取り入れることができます。また、ヨーグルトの乳酸菌と乾物の食物繊維を併せて取ることで、より高い整腸作用を得ることができるのです。ヨーグルトが調味料代わりになり、素材の味わいが引き立つので、意外なおいしさを発見することができます。
自宅で乾物づくりに挑戦!
乾物づくりは、細かく切って干すだけと簡単にできます。上手につくるポイントは以下の通り。
●容器はザルなど、上下から空気が通りやすいものを使うこと。
●切り口をなるべく大きくすること。
● 太陽が出始めたら外へ干し、陰り始めたらなかへ取り込むこと。
気候条件や食材にもよりますが、半日~2日でおいしい乾物ができあがります。賞味期限が迫っている野菜やフルーツを、ご自身の手でおいしく栄養たっぷり、長持ちする乾物に
生まれ変わらせてみてはいかがでしょうか。